転調

転調とは

 調性音楽において、楽曲は基本的に一つの調(キー)を土台に作られています。その土台の調を変えることを転調と言います。転調することによって、トニックのコードが新たに確立されます。

 転調は、大きく分けて、2つの種類があります。経過的な、一時的な転調と継続的な転調です。一時的な転調では、すぐに元の調に戻ったり、さらに別の調に移ったりします。一方、持続的な転調では調号が変わることもありますが、そうでなくても、ある程度の長さで新しい調が持続されます。転調を前提とした形式、例えばソナタ形式では、呈示部での第1主題と第2主題は違う調で呈示されます。展開部でも、様々な調を通過するのが普通です。

5度圏

各調の主音を完全5度の関係で並べた関係図です。調性は完全5度の間隔でたどっていくと再び出発調に戻る閉じた関係なので、円で表わされる循環図となっています。

 五度圏の図は、外側が長調、内側が短調を表しています。12の長調・短調の一部は異名同音でシャープ系とフラット系の2種類が用いられますので、実際には長調15種類、短調が15種類存在します。

 ご覧のように、隣り合った調は調号の数が1つ増減します。主音が5度上行する(時計回り)につれてシャープの数が1つずつ増え、5度下行する(反時計回り)につれてフラットの数が増えていきます。

関係調

 各調には別の調との関係を表わす予後があります。

  • 同主調:主音が同じ長調と短調の関係(調号は異なる)

以下の5つの関係調はまとめて「近親調」と呼ばれます。近親調の特徴は「調号が同じか1つ異なる調」であり、「元の調のダイアトニック・コードを主音とする各調(長調の7度音上のコードと短調の2度音上のコードは除く)」です。

  • 平行調:調号が同じ、同主音の長調と短調
  • 属調:属音を主音とする長調あるいは短調
  • 属調の平行調:属調と同じ調号の長調あるいは短調
  • 下属調:下属音(音階の第4度音)を主音とする長調あるいは短調
  • 下属調の平行調:下属調と同じ調号の長調あるいは短調

転調方法

 転調の具体的手法としては、以下のやり方があります。

ピボット・コード(共通コード)を用いた転調

 元の調(先行調)と転調先の調(後続調)に共通するコードを用いることで、転調を成立させます。同じコードでも、調が変われば当然、機能も異なりますので、それを利用して転調するのです。

 あるコードがどの調では何度上で使われているのかを一覧表にしましたので、ピボット・コードでの転調を考えるときにお役にたつと思います。

共通コード・マップはこちら

ドミナント・セブンス・コードを用いた転調

 ドミナント・セブンス・コードは様々なコードに進むことができます。それを利用して他の調へと転調する方法です。

サブドミナント・マイナーを使った転調

 ピボット・コードを用いた転調とかぶる部分もありますが、サブドミナント・マイナーコードを用いることで、遠隔調も含めた多くの調へ転調が可能になります。

特徴音を使った近親調への転調

 特徴音(後続調にのみ現れる音)を含むコードを使うことで転調を成立させます。コードの組み合わせ方は、他の様々な方法が併用されます。

各調から近親調への転調モデル一覧はこちら

半音階を用いた転調

 機能的な説明はつかなくても、コードを半音階的に変化させることで転調を成立させることができます。

ナポリの和音を用いた転調

ディミニッシュ・コードを用いた転調

コード・スケールを変えることで実施される転調

変化和音を用いた転調

平行和音を用いた転調

エンハーモニックを用いた転調

突然の転調