ドイツ語を読むための「文型」の知識

文の分類

  1. 単一文と複合文
  2. 主文と副文
  3. 平叙文、疑問文、命令文

主文(主節)

ドイツ語の平叙文の基本は、

  • 主語 + 動詞 + 目的語

動詞の位置は変わらないが、他の要素は移動が自由。

副文(従属節)

英五のthat節などに相当する副文の基本構造は、

  • 主語 + 目的語 + 動詞

枠構造

  • 主文においては定動詞と述部成分が一種の枠を形成する。
  • 副文においては接続詞・関係詞等と定動詞が一種の枠を形成する。

動詞の位置には3つのパターンが見られる。

  1. 定形2位文(核文): ◇ + 動詞 + ◇
  2. 定形1位文    : 動詞 + ◇ + ◇
  3. 定形末尾文    : ◇ + ◇ + 動詞

1. 定形2位文

動詞が冒頭の要素のあとに続く文型です。「核文」とあるように、もっともよく見られる形です。 どの要素を動詞の前後に置いてかまいません。◇は名詞、名詞句、前置詩句、副詞等の要素を意味しています。 但し女性名詞は1格と4格の冠詞が同じなので、どちらの要素も主語と解釈できる文では、必ず前の方を「主語」と解釈します。また格が不明瞭な固有名詞も前の方を「主語」とみなします。 このことは1格と4格の冠詞が同形な「中性名詞」や「複数形」でも同じことが言えます。 定形2位文は、平叙文の他にも以下の場合に使われます。

  • 並列接続詞で結ばれる複数の各主文において
  • 疑問詞付の疑問文において
  • 話法の助動詞文

2. 定形1位文

動詞が文の冒頭にくる文型には次のようなものがあります。

  • 疑問文
  • 命令文
  • 勧奨文(〜しましょう)
  • 従属節が先行する主文

3. 定形末尾文

定動詞が文末にくるパターンです。これは、

  • 従属接続詞に導かれる副文

において現れます。但し副文が主文に先行する場合は、主文は定形1位文となります。

枠外配列

枠構造の後方に文要素が置かれることがある。これを「枠外配列」と呼ぶ。

  1. 文法的要因;①比較の対象を表わす(alsやwieで導かれる句)、②副文、③zu不定句
  2. 伝達的要素;①前置詞句のような把握が困難な長さの要素、②特に強調したい要素

Ich habe besser Klavier gespielt als sie. 私は彼女より上手くピアノを弾いた。 

Er ist heute zu Lektion nicht gekommen, weil er krank war. 彼は病気なので今日のレッスンに来なかった。 

Er wurde aufgefordert, seinen Studentenausweis zu zeigen. 彼は学生証を見せるよう要求された。 

Er ist stolz auf seiner Tochter, die ein bekannter Pianist ist. 彼は、有名なピアニストである娘を誇りにしている。

Er ließ nicht nach mit Spielen. 彼は弾いて弾いて弾きまくった。

語順の規定

文の各要素がどういう順序で並べられるのかには基本的な規則があります。

  1. 形態的要因:形態的に長い要素や構造的に複雑な要素ほど後方に置かれる。
  2. 統語的要因:動詞と密接な関係にある要素ほど後方に置かれる。
  3. 伝達的要因:伝達上の情報価値が高いものほど後方に置かれる。

1. 形態的要因

目的語は、名詞の目的語のほうが代名詞の目的語より長いので後方に置かれる。 

Ich habe ihm die Sonatamusikalien von Beethoven geschenkt. 彼にベートーヴェンのソナタの楽譜を贈った。

前置詞格目的語は自立格目的語よりも後方に置かれる。 

Er schreibt einen Brief an seine Mutter. 彼は母親に手紙を書く。

前置詞句は副詞よりも後方に置かれる。 

ch bleibe deshalb am Sonntag zu Hause. だから日曜日は家から出ない。

3. 伝達的要因

定冠詞のついた目的語と不定冠詞の付いた目的語では、不定冠詞の付いた目的語のほうが未知の情報ゆえに価値が大きく、後方に置かれる。 

Ich habe das CD einer Frau geschenkt. そのCDをある女性に贈った。

否定文

否定文には、

  1. 文全体を否定する文否定
  2. 文の一要素を否定する部分否定

がある。

1. 文否定

文否定の” nicht “は、原則的には文末、または述部成分(不定詞、過去分詞、前綴り、述語)の前に置かれる。 

Sie kommen heute nicht. 彼らは今日来ない。

 Ich reise heute nicht ab. 私は今日出発しない。

目的語が動詞と熟語的に結びついている場合、” nicht “は目的語の前に置かれる。 

Ich spiele nicht Klavier. 私はピアノを弾かない。

副詞類の場合、補足的な副詞類には” nicht “を前置させ、4格の副詞的前置詞句と本来的な副詞には” nicht “を後置させる。それ以外の場合は前後どちらにも置かれる。 

Ich legte das Buch nicht auf den Notenständer. 私は譜面台に本を置かない。 

Ich spielte Klavier am Morgen nicht. 私は朝はピアノを弾かない。 

Er spielte nicht dort. / Er spielte dort nicht. 彼はそこで演奏しなかった。

2. 部分否定

部分否定の” nicht “は原則的に、否定する要素の直前に置かれる。