音程 (Interval)

音程とは、2音間の距離のことです。

音程を表示するには、音と音の関係を「Quantity」(=度数)と「Quality」(響き方)の2種類の内容から判断します。

度数 (Degree)

2つの音(符)が五線譜上でどういった関係にあるかを示すのが度数です。これは単純に2音間の距離数です。

距離数というと、物差しのある目盛りからある目盛りまでの距離を想像するかもしれませんが、音程に関しては、考え方がまったく違います。

音程の度数を測る物差しには「0」の目盛りはなくて、「1」の目盛りから始まっています。イメージとしては下図のようになります。

この目盛りは、五線譜の「線」と「間」に対応していて、例えば測定する音符が線上にあれば、そこを基準の目盛り1を当てます。そうすると、奇数目盛りはすべて「線」に対応し、偶数目盛りは「間」に対応することになります。逆に、「間」の音符を基準にすれば、奇数目盛りはすべて「間」に対応し、偶数目盛りは「線」に対応することになります。

上の図を見ると、F(へ音)は第1間に位置しています。すると、目盛り2は第2線に対応し、目盛り3は第2間、・・・、目盛り6がD(ニ音)の乗っている第4線となります。つまりFとDの音程の度数は「6度」という結果になるのです。ちなみに音程の度数は低い音のほうを基準点(出発点)とします。

音程は慣れてくれば、いちいち数えなくてもわかるようになりますが、初めはこのように数えて、早く覚えてしまいましょう。

では、C音を基準とした度数を見てみましょう。

半音と全音

楽譜の初心者にとって躓きやすいポイントは、全音と半音でしょう。五線譜の線と間は均一に書かれていますが、実際には場所によって音の距離が違っているのが混乱の原因です(度数は均一です)。それは何故かというと、シャープやフラットといった変化記号の付かない音符はピアノ等の鍵盤楽器の白鍵に対応しているからなのです。

鍵盤の隣り合った音の距離は「半音」と呼ばれます。そして半音が2つ合わさると「全音」となります。

C音は白鍵、D音も白鍵ですが、間に黒鍵が挟まれています。つまりC音とD音の距離は「半音」+「半音」=「全音」ということになります。D音とE音も同様に黒鍵が挟まっているので、「全音」です。

けれどもE音とF音の鍵盤の間には黒鍵は存在していません。つまりE音とF音の距離は「半音」ということになります。五線譜上ではわからないのですが、第1線のE音と第1間のF音は「半音」であるという決まりになっているのです。

同様にB音とC音、つまり第3線上の音符と第4間の音符の距離も、変化記号が付かない限り「半音」と定められています。

これはもう、そういうものだと覚えてしまうしかありません。

因みに、ハ長調の音階、C-D-E-F-G-A-B-Cは「全音-全音-半音-全音-全音-全音-半音」の関係となっており、長調の音階は全て、この関係にあります。

音程の種類(響きによる区別)

さて、全音と半音の理解ができたところで、音程の種類の説明に移りましょう。なぜ、全音と半音の区別が必要かというと、「C音とD音」「E音とF音」は両方とも度数は「2度」なのですが、半音の数が違うため、実際には2音の響き方が異なるためです。「2度」とだけ書くと、実際には「全音」なのか「半音」なのか区別が付かないのです。

完全音程

「1度」「4度」「5度」「8度」の音程には「完全」という単語が用いられます。

完全に同じ高さの音は「1度」音程であり「完全1度」と呼ばれます。

同時に鳴らしても全く同質に響くが、互いに音の高さが異なる音程をオクターブと呼びますが、これは「完全8度」と呼ばれます。上述の目盛りでC音から上のC音が「8目盛り」であったことを思い出してください。

C音からF音、D音からG音、E音からA音の間の半音を数えてみてください。これらの「4度」音程には半音が5つ含まれています。この状態の4度音程を「完全4度」と呼びます。

C音からG音、D音からA音、E音からB音、F音からC音の間はどうでしょう。こちらは半音が7個含まれていて、この状態の5度音程を「完全5度」と呼びます。

では逆に、F音〜B音の音程はどうなっているでしょうか? 半音が6個と、完全4度に含まれる半音の数が1つ多いですね。この場合は「増」という単語を付加して「増4度音程」というふうに呼びます。

5度でも仲間はずれの関係が1つだけあって、それはB音〜F音です。半音を数えると完全5度の7個よりも1つ少ない、6個であることがわかります。この場合は「減」という単語を付加して、「減5度」というふうに表現されます。

長・短音程

残りの度数、「2度」「3度」「6度」「7度」の音程もやはり、音によって半音の数が異なりますので、「長」「短」の単語によって区別がされます。

「2度」に関しては、半音が1個の音程には「短」を用いて「短2度」、半音が2個=全音の音程に対しては「長」を用いて「長2度」と呼びます。

「3度」では半音の数が3個を「短3度」、4個(=全音2個)を「長3度」と呼びます。

「6度」では、半音の数が8個を「短6度」、9個を「長6度」と呼びます。

「7度」では、半音の数が10個を「短7度」、11個を「長7度」と呼びます。

増減音程

完全音程より半音が1個増えると「増音程」となることは上述しましたが、この「増」「減」は長短音程の変化にも用いられます。それをまとめたのが下図となります。

上図の見方を理解するために、まず完全5度を例に図示してみます。

ご覧のように、完全5度に半音が1つ増えれば、増5度となり、さらに半音が増えれば「重増5度」となるのです。半音が減っていく場合は、「減」「重減」の順で呼び名が変わっていきます。「完全」と名のつく音程は全てこのパターンを踏襲します。

一方、長短音程の例を3度で見てみましょう。

完全音程の場合は、半音の増減がすぐに「増」「減」に繋がるのに対し、長短音程の場合は1ステップ増えていることがわかります。長3度に半音が1つ増えれば「増3度」となるのですが、短3度に半音が増えても「増3度」とはならずに「長3度」となることに注意が必要です。この点さえしっかり押さえておけば、音程の種類は問題なく使いこなせるようになるでしょう。

複音程(9度以上の音程)

2音間がオクターブを超えた場合も、冒頭で紹介したスケールをそのまま使うことができます。音程は「9度」「10度」「11度」・・・と単純に増えていくだけです。

ただし、普通はオクターブ範囲内の度数に言い換えるのが一般的です。その際には、上段の数字から7を引けば、下段の度数が導き出せます。

四角で囲んだ、「9th」「11th」「13th」はテンション・ノートで用いられる音程名なので、それらが「長2度」「完全4度」「長6度」に対応していることも記憶に留めておきましょう。

9度2度+7度長短音程
10度3度+7度長短音程
11度4度+7度完全音程
12度5度+7度完全音程
13度6度+7度長短音程
14度7度+7度長短音程
15度8度+7度完全音程
(2オクターブ)

転回音程

重なっている2音のうち、上の音を1オクターブ下げる、あるいは下の音を1オクターブ上げて得られる音程を転回音程と言います。

転回音程には規則性があって、転回前の音程と転回後の音程を足すと「9度」となります。

例えば、上例の完全1度を転回させると完全8度に、長2度を転回させると短7度になります。いずれも合計の度数は「9」になっていることがわかるでしょう。

ただし、音程の種類は正反対になることが要点です。

転回前転回後
完全音程↔️完全音程
長音程↔️短音程
短音程↔️長音程
増音程↔️減音程
減音程↔️増音程
重増音程↔️重減音程
重減音程↔️重増音程

各音に対する音程一覧(リンク)